木を植えたり、剪定したり、枯れた木を伐採したり。
松原造園、おかげさまで今年も順調に、忙しくお仕事をさせていただいております。

マンションの緑地管理や街路樹の剪定、いつも周らせてもらっている個人邸の手入れ等、植木屋の日常茶飯事的な仕事の傍らに、ちょこちょことつくり仕事をさせていただいてる分をサラッとご報告。

まずは、いつも懇意にしていただいております、大阪天王寺区の西照寺さま。

〝通路脇の植え込みの足元が殺風景なのよね〟
ということで、五石の青石による石組を行いました。

 

お地蔵さまの脇に組むというのを意識して、丸みのある石を選びました。

坪庭のお話もちょくちょくいただきます。

京都市は壬生の京町屋の坪庭改修です。

ここは町屋風の建物もリフォームしてありまして、外人さんなどにゲストハウスとして利用してもらうそうです。

建仁寺垣(けんにんじがき)はまだしっかりしているのでそのままに、もみじやドウダンつつじなどは取っ払いまして、棕櫚竹(しゅろちく)に替えます。

ゲストハウスということですので、出来るだけメンテナンスフリーの落ち葉の出ないものを選びました。

織部灯籠(おりべどうろう)と棕櫚竹の相性の良さ。
お風呂の窓からの眺めも、雰囲気いいです。

何かと忙しく生きる昨今の情勢からして、こういったニッチな場所は特に〝手間がかからない〟ということを求められることが多いです。

最後は七年前、平成二十年に松原造園がつくらせていただいたお庭の改修工事です。

七年前の、完成直後の庭の写真。

築山を杉苔で覆った綺麗な庭だったのですが、やはり悲しいかな、お施主さんも常に時間に追われ、時間と戦う現代人でした。美しい庭を維持していくには、常日頃の手入れが大切だということは勿論理解しているけども、庭にいる時間をなかなか作れないのが現実のようで、七年の歳月で杉苔は消え失せ、雑草がちらほら蔓延る有り様になってしまいました。

そこで杉苔改め、乾燥にも強い玉竜を張り直し、砂利の部分はタイル張りに改めました。

これで雑草が生えてくる部分も大幅に減りました。

「手入れの手間を惜しんで庭をつくるなんぞ、どういうこっちゃ!!」
なんて、頭の固い頑固庭師に怒鳴られるかもしれません。

そりゃあ僕だって、せっかく丹精込めてつくらせて頂いた庭ですから、毎日掃き清めて美しく維持して欲しいのが理想ですが、それは理想です。

現実はやはり、職業として造園稼業をしているわけです。
それも桃山時代でも江戸時代でもなく、この平成の時代に。

いやホント。
何事にも、恐ろしいほど手間を惜しむ時代になってしまいました。

「これからロボット社会になるから、人間はすることがなくなって暇になるんだよ」みたいなことを有識者の方がテレビで言ってるのを見ましたが、ホンマなんでしょうか。

とにかく松原造園は、お施主さんが何を望んでおられるのかを必死に耳を傾け、それに対して無い知恵をギュウと絞って何とか解決せしめることが、何よりも大切だと考えています。