国家資格である、造園技能士の試験に行ってきました。

といいましても、私が受験したわけじゃありません。
その逆です。
検定される側じゃなくて、検定する側です。

検定員。と言えればカッコイイんですけど、それをお手伝いする役。
補佐員です。

8月18日と19日が、その造園技能士の1~2級の実地試験の日でした。

資格の名称が〝造園技能士〟ですから。
造園の技能が〝あるレベルまで到達しているか〟ということが問われる試験です。
筆記試験もありますが、やはり実地試験が重要になってきよります。

1級の場合ですと、2.5m×2.0mの区画に、竹垣(建仁寺垣)をつくり、蹲踞を組み、延段と飛石を据え、さらに景石を三石据えて木を植え下草を添えるという、実際の庭さながらのものをつくる試験です。

苔を張って砂利を敷けば、もう立派な庭の体です。
苔も砂利もない分、地鏝を使って地面をいかに綺麗に整地出来てるかが、仕上がりにかなり影響してきます。

制限時間が3時間。
これがまた、なかなか厳しい時間設定となってます。

図面を頭に叩き込んで、何度も何度も練習しないと時間以内に作ることは困難です。
そしてこの暑い時期での試験でしょ。
容赦なく太陽が体力を奪っていきます。

実際の試験でも、受験生のうち、制限時間内に完成出来る人は2割も満たないんじゃないでしょうか。
1割程度かもしれません。
そのぐらいキツイ試験です。

ただ、3時間以内につくれないと即失格かというと、そうでもありません。
そこは一応、30分の延長時間はあるんです。
ただし、時間が経過するごとに減点されていってしまいますが。

要するにですね。
お盆休みをどれだけ試験の練習に費やすか。
夏のバカンスの誘惑に勝てるのか。
実地試験の合否は、そこにかかっているのです。

京都府では毎年、広沢池の東側、印空寺さんの敷地をお借りして、検定試験を行っています。
幸か不幸か、京都は全国に名前の通った一流の庭師さんが数多くおられまして、その方たちが検定委員を務めていらっしゃいます。

私も末席ながら、造園組合の理事をやらせていただいてますので、ここ3年ほど補佐員として、試験のお手伝いをさせていただいておるのですが、こんな目の肥えた人たちに検定されるなんてと、いつも戦慄しながら遠巻きに見ております。

実は今年は、松原造園からも三人の職人が一級技能士を受験しました。
松原造園のお盆休みは四日間でしたが、三人ともそのほぼ全ての時間を練習に費やしたようです。
せっかくの連休。家族も気の毒に。
もう二度としたくないでしょうから、ぜひ受かってほしいものです。

ところで、それほど頑張らないと取得できない1級造園技能士ですが、仮にそれを取ったからと言って、一流の庭師なのかというと、全然そんなことありません。

そりゃ毎日仕事としてやってるわけですから。

そんなもん、人並み程度の努力をしていれば、普通に取得できる資格やろがい!と私のドSな部分はそう思ってたりするんですけども。

精一杯、懸命に頑張る受験生たちを見てますとつい、「もう頑張ってるおまいら、全員合格!」と叫びたくなるGODな僕が居たりもします。

さて、合格発表は10月2日です。
受験生諸君、採点してくださる人がGODな人であるよう、あとは祈るのだ!