続いて男湯です。

〝『一乗谷の石組』の様な露天風呂をつくってみたい〟
という夢を女湯で叶えて満足している場合ではないのです。

すぐに男湯の石組に着手しないと。

男湯は「どこどこをイメージして」なんてものはありません。
気の向くまま、石の意思のまま、自由な気持ちで組んでいきます。

写真で見ると、スケールがイマイチ掴めませんが、なかなかの巨石です。
一番デカいやつで4.5tあります。

自由っつっても、適当じゃないですよ。
石の貌を見ると、どこにどうやって据えてほしいのか判ります。

「そいつがここで、こいつがあそこやな」
なんて調子で順番に据えていくんですが、
よく見るとこの仕事をしている僕ったら、ほんとに顔が濃いです。

「君、顔濃いなぁ」とはよく言われるので、
自分でも〝濃い〟ことは認識していたとのですが、
真面目に仕事をしているときの顔が、まさかこれほどに濃いとは、予想外でした。

すんません。
石の貌の話やったのに、脱線してしまいました。

そうこうしている内に

そんなこんなで

あれよあれよという間に

石組はおおかた完成。

女湯と同様に、底に鉄平石を張りまして。

あと、石と石の隙間に目地を入れれば完成です。

源氏の湯のときにもやりましたが、
お風呂として使用するため、目地はかなり太めに入れます。

直接、肌に当たるので、凹凸を軽減するためというのもありますが、
普段の掃除がしやすいように隙間を無くすためでもあります。

ブラシや高圧洗浄機で簡単に洗えるように。
カッコばっかりの洗いにくい不衛生な露天風呂では話になりませんもの。

腰かけ石も、ベンチ風に配置しております。

ご家族、友人とゆっくり入っていただけますように。

次回、露天風呂の庭づくりをご報告させていただきます。

ホテル京都くに荘 露天風呂④につづく