昨年になります2011年の11月に完成したお庭をご紹介させていただきます。
そもそも庭をつくることになったのは、建物のリフォームがきっかけなんだそうです。
それまでは地面が見えないくらい盆栽の鉢で埋め尽くされていた8畳ほどのお庭。
お家のリフォームのついでに、ぜ~んぶ取っ払って車1台分のガレージにしようか。
な~んて当初計画されていたそうなんですが。
家族会議を重ねた結果、ガレージはやめて新しいお庭をつくることになったそうです。
で、作庭のお話が私のところにきたのは5月。
すぐに図面に取り掛かりましてですね。
『日本庭園で』というご要望をいただいておりましたので、提案させていただいた図面はこんな感じです。
$庭志から庭師へ
苔の築山と五石の石組、『吾唯足知(ワレタダタルヲシル)』と刻まれた銭鉢(ぜにばち)の蹲踞(つくばい)、園路には飛石を。
ちなみにこの図面、都林泉名勝図会(大昔の庭園案内本)なんかを意識して書いております。
下手でも筆を使って殴り書くと、まぁそれなりに見えたり見えなかったり。
とにかく、この内容を意気揚々と喜び勇んで提案させていただいたのが5月頃だったのですが、お施主様のタイミングで、工事の受注をいただけたのが10月でした。
この5ヵ月のタイムラグは私にとって想定外でした。
もちろんお施主様のタイミングが1000%大事なことは判ってはいるのですが、なんとも無念なことに、当時私は大きな作庭現場の真っ最中でありまして。
どうしてもそこを外れることが出来ません。
私が外人だったなら、きっと英語でこう言ったことでしょう。
Oh!My god!
Kami ha maze watasi ni bon to syougatu to X’mas wo douji ni motarasunoka!
(…あぁ、私ったら英語は出来ないんでした )
要するに、庭工事が重なることになってしまい、パニックになったってことが言いたかったのですが、くだらなくてスミマセン。。。
そんな訳で、自ら施工したかったのですが叶わず、松原造園を独立していった私の兄弟子に当る職人さんに施工をお願いしました。
私が鼻垂らしながら学校へ行ってる頃、松原造園で勤めて下さってた方です。
職人としても人間としても尊敬しています。1000%信用できます。
「実際は絵で描いてあるほど奥行きないし、絵の感じ出すの難しいわ~」
なんて言いながらも、いざ完成したら流石です。バッチグーです。
$庭志から庭師へ
『吾唯足知』の銭鉢もイイ感じ。
$庭志から庭師へ
やっぱ青々とした筧(かけひ)は清潔感があってイイですね。
$庭志から庭師へ
細部の丁寧さから、気持ちがこもっているのが判ります。
実際に作業はしていませんが、ちょこちょこと覗きに行ったり、打合せも十分させていただけましたし。
私としては1000%満足できる仕上がりです。
…と言うのは兄弟子に対してエラそう過ぎですね。スミマセン。。。
なにより、お施主さまがすんげーアットホームな方でして、
毎回、私が現場に行く度に、「いやー、社長来てくれはったわ。お茶飲んでってー」から始まって、もういたれりつくせり。
いや~、色々とご馳走様でした。
最後には造園屋泣かせの「エエのんつくってもろて、おおきに」のお言葉まで頂戴しまして、私はもうホント、2000%満足です。
本当にありがとうございました。
そうそう。
嬉しいことに、こんな年賀状までいただきまして。
$庭志から庭師へ
嬉しくて嬉しくて。
思わず、思いの内を一気に書いてお返事出したんですが、後から考えると興奮しながら書いたので失礼なこと書いてないか、ちょっと心配です。