つい先日、完成した庭工事の紹介です。
今回は京都東山の宮川町にある『東山本格舞妓体験処 心-花雫-』さんのお庭です。
『ひがしやま まいこたいけんどころ こころ-はなしずく-』と読みます。
『心-花雫-』さんでは、本格的なお化粧で『舞妓はん』に変身。
舞妓はんの姿で京の町を散策したり、撮影会をしたり。
そんな普段体験できないような旅の思い出になること間違いなし。
しかも変身できるのは舞妓さんだけじゃございません。
花魁にだってなれちゃいます。
こんな風に変身デキますーって、舞妓や花魁の写真を心さんのHPから頂戴して載せたいのですが。
個人的な記念写真なので自粛(当たり前か)。
代わりに心さんのHPはこちら↓↓
http://www.maiko-maiko.com/
ところで、定期的に私のブログを見て下さっている方ならきっと疑問をお持ちになっているはず。
「舞妓はんのスタジオなら前につくったじゃんかよー」って。。。
そうなんです。
たしかに去年(2010年)の7月につくりました。
そう、嵐山で。。。
今回は嵐山ではなく、東山なんです。
それも本物の舞妓がいる花街、宮川町にある心さんの本店です。
前回つくらせていただいた、嵐山の屋外スタジオが好評だったのかどうかは、直接お客様の声を聞けなかったので何とも言えませんが。。。引き続き、本店にも屋外スタジオの依頼をいただきました。
2度目の仕事依頼をいただけるというのは、嬉しい気持ちと感謝の心でいっぱいです。
ちなみに前回つくった嵐山の屋外スタジオの写真と

$庭志から庭師へ
そのときの記事。→嵐山 『舞妓体験処 STUDIO心』さんの撮影所
京都東山の宮川町。
京都に5つある花街の中でも舞妓さんの数が多く、地元ではかわいい舞妓さんが多いと評判の街です。
また、花街の中でも古い雰囲気が残る街としても知られ、映画「舞妓Haaaan!!!」のモデルとなったんだとか。
$庭志から庭師へ
私だってお茶屋遊びなんて、したことございませんので宮川町を実際に歩いたのは今回が初めてでした。
『京の町屋で仕事』といえば、道は狭いわ、一方通行ばっかりやわ、車や歩行者は多いわで、車での移動はいつもうんざりするんですが、ゆっくり歩いて見るとなかなかええ町なんですよね、やっぱり。
ここが宮川町にある本店『心-花雫-』です。
$庭志から庭師へ
本題の。
松原造園がつくらせていただく庭の現況はといいますと。。。
$庭志から庭師へ
3m×3m=9㎡の約3坪ほどの坪庭です。
道あかりや蹲踞が据えられていますが、現況の庭は利用されていないようです。
撮影位置はこの角度からの予定です。
$庭志から庭師へ
今回はある材料を使って…ということです。
となると、少し配置換えをしなきゃあいけませんね。
しかも、全天候型のスタジオにするということで、近い将来にはここに屋根を取り付けるそうです。
ですので植物は育ちません。
中央のネズミモチも、もちろん伐根ということになります。
狭い上に四方を2階建ての建物に囲まれている坪庭ですから、じめっとした暗い雰囲気をどうしても感じてしまいます。
その辺をどう改善していくのかも重要です。
ということで、私が提案させていただいたプランはこんな感じです。
$庭志から庭師へ
太い黒枠がカメラのフレームになります。
前回同様、床几を設置します。
赤い毛氈の床几は舞妓スタジオには必須です。
床几の後ろの竹はオブジェです。
植物を植えることが出来ないので、天然の竹に青竹色の塗装を施し、明るい雰囲気をつくります。
絵が下手で遠近感がおかしいんですが、道あかりは後ろの丸太柱のすぐ前に据えます。
手前下部分の丸くて茶色いのは、ハンバーグでも馬糞でもなく、飛石です。
道あかりと蹲踞の周りを回るように、舞妓はんに歩いていただきます。
床几周りはすっきりと三和土(たたき)にしました。
舞妓はんは『ぽっくり』を履きます。
撮影時には立ったり座ったり、回転したり。
足元がデコボコだと危ないのですので。
三和土にはアクセントに蜻蛉(とんぼ)を入れます。
で、プランは通っていざ施工へ。
…なんですが、蹲踞を据えている時点でオーナーさんから物言いが入りました。
「狭い!!」と。。。
グループでの撮影に狭いと対応できないということで、急きょ蹲踞は撤去となりました。
その他、少々の変更を経て完成です。
$庭志から庭師へ
蹲踞が無くなった分、床几のサイズを大きくしました。
高さもいつもより8cm高くつくりました。足がより長く写るようにです。
思いつきで瓦の玉を関守石(せきもりいし)として使ってみました。(右下の飛石の上に置いてあるヤツね)
これぐらいでは蹲踞が無くなった寂しさは紛れませんが、あくまでもメインは舞妓はんですから。
そして、これも思いつきなんですが三和土の蜻蛉は赤いタイルを使って『赤とんぼ』にチャレンジしてみました。
$庭志から庭師へ
三和土の中に赤とんぼを入れているとき思ったんですが、これはタイルが薄かったので、使ってるうちに取れちゃうかもしれません。
コンクリートなら上手くいったと思うのですが、コンクリートより硬化や接着が劣る三和土には薄いタイルは不向きなようです。
今後、何らかの対策を考えたいと思います。
あと、道あかりの窓枠であそんでみたり…。
$庭志から庭師へ
今回も色々と楽しませてもらいながらの作業でした。
ただ、心さんの方も通常営業しながらの工事でしたので、スタッフさんには大変ご迷惑をお掛けしたと思いますが、色々と親切に対応して下さり、ありがとうございました。