take <テイク>

意味は 取る、 つかむ、 捕えるなど。

いやいや、そうじゃなくローマ字で読みましょう。

タケ。

そう、竹のはなしです。

 竹は私たち造園屋にとっては、竹垣や袖垣なんかで使うので、身近な植物です。といっても最近では樹脂製の竹垣なんかが使われるようになって竹の出番も少なくなりましたが・・・。

 さて、その竹ですが、イネ科の多年生常緑草本植物なんです。ということは学術的には草になるんですね。

「え?あれが草かよ」って思いますよね。だから、最近ではイネ科の〝タケ亜科〟とされています。

 竹は一本の竹から地下茎を伸ばし、繁殖して藪となります。そして、周期的に花を咲かせます。竹の花は、テレビなんかで度々取り上げられるので、みなさん御存知かと思いますが、花をつけるのはとても珍しく、開花後は藪全体が枯死してしまうといわれています。

庭志から庭師へ-take
モウソウチクの花

 その開花周期は日本ではモウソウチクが67年周期で開花したという事例が2件あります。

マダケでは昭和40年代に日本だけでなく、世界中のマダケが一斉に開花し、前回の開花からほぼ120年経っていたということがわかっています。

その他の竹については、開花の事例はあってもその周期については、まだわかってないようです。

 ちなみに私は竹の花を実際に見たことがありません。平成6年に京都府立植物園でナリヒラダケが開花したそうですが、残念ながら見に行けませんでした。

 全然関係ないけど、76年に一度のハレー彗星は子供の頃に見ましたよ( ̄▽+ ̄*)

 はなしは戻りますが、先ほど竹はイネ科のタケ亜科とされているとしましたが、学説としてもう1つ、タケとササに分けることができます。

 「タケノコが成長し終えた時、竹の皮が稈から落ちるものをタケ」、「落ちずに、いつまでも稈に残るものをササ」とする分け方です。

 これでいくと、モウソウチク・ハチク・マダケ・オカメザサ等が「タケ」となり、チシマザサ・シノダケ・メダケ・ヤダケ等が「ササ」になる。笹と名のつくタケもあり、竹と名のつくササもある。見た目は竹なのにササ、笹の様でタケなんてことになる。ああ、ややこしや。

 もともと植物学は曖昧なことが多く、高木と低木の定義も定かではないし、中木という分け方があったりなかったりする。自然を分類分けしようとしても、必ず規格外が存在する。

簡単に割り切れるもんじゃないんですね。

庭志から庭師へ-take1

 その昔、日本では割り切れない数字のことを「数奇」と言い、「人生はなかなか割り切れるものではない。そこに、人間の悩みと苦しみがある。」という意味を込めて、この数字が好んで使われました。造園でも石組みを奇数で組み、それを表現したりします。

 話を竹に戻しますが、先日の造園連新聞に「タケとササ、それにもう1つバンブーに分けることができる」という記事が載っていました。バンブーとは、「熱帯地方に多い大型の竹で、地下茎があまり発達しないので挿し木が可能である」ということだそうです。

 そんな普通の植物とは明らかに違う、割り切れない植物「タケ」。

しかし、さっぱりすっきりした性格の人のことを「竹を割ったような人だ」と形容するのは、これまた面白いなあと思ってしまいます。

この記事は会社のホームページに掲載していたものです。

システムの事情により、削除するためココに転載させていただきました。