10年ほど前に、仕事もほったらかしてオーストラリアで4ヶ月くらい遊んでたあの頃。

その⑨です。

オーストラリアのちょうど右下にある島「タスマニア」。

タスマニアって言ったらトラウトでしょう。

ここを素通りするわけにはいかないでしょう。

 

オーストラリアとタスマニアを結ぶフェリー。

庭志から庭師へ-aus37

その名も「スピリット オブ タスマニア」に車ごと乗り込みます。

 

このフェリー、夜の7時頃から、朝にかけてタスマニアに向かうので、船の中で一晩過ごすことになります。

もちろん最安のチケットなので、部屋は狭い4人部屋。

いつもは一緒に遊びにきた友人と行動を共にしてるんですが、このとき、色々と事情がありまして、、ワタシ一人でフェリーに乗ることになったんですよね。

「一晩だけとはいえ、変な外人と一緒やったら厭やなぁ。英語も喋れへんしなぁ」

なんて心配ながら、恐る恐る部屋のドアを開けます。

すると、そこにはブリーフ姿のブルース・ウイリス似のおっさんが一人。

 

イメージ画像

 

「あ。。。ドーモ」

 

 

 

これは危険です。DANGERです。

これから一晩、この密室でヤツと一晩過ごすのか!!

私の第6感が「行っちゃダメだぁ~!!」と叫んでいます。

でも。

 

私の場所は残念ですがここしかありません。

なるべく平静を装い、奥に進み、ベッドを確保しました。

 

 

 

 

(見てる・・・見られてる・・・気マズイ・・・落ち着け・・)

どうやら、他の客はなく、二人っきりのようす。

 

こういう精神状態のときは、自然に手が煙草にいきます。

煙草をくわえ、ライターをまさぐると、壁に「NO SMORKING」のステッカーを確認。

「ですよねぇ。」

 

私がまごまごしていると、ブリーフ・ウイリスが何か言いながらトイレ兼用のシャワー室のドアを開け、

「カモン!」

どうやら、「換気扇があるから、ここで吸ったらバレねえぜ」みたいなことを言ってるようです。

そこが狭いのは判っていました。

シャワー室はブリーフ一丁のおっさんと二人っきりで入るような所じゃないことも理解しています。

でも、断れませんでした。

断る度胸がありませんでした。

初対面のブリーフ一丁のおっさんと密接して吸った煙草の味は

・・・覚えてません。

 

それどころじゃ、ありませんでした。

寝るときも、いろいろ想像してしまい、怖かったですよ。

ま、結局、その後何事もなく、朝を迎えたのですが・・・。

 

翌朝、初めてブリーフ・ウイリスの服を着た姿を見ました。

な~んや。服着てたら、それほど恐れることもない、普通の外人やん。

ブリーフ・ウイリスとフレンドリーに別れた後、気持ちを切り替えます。

冒頭でも書いたように、タスマニアと言えばトラウト。

そう、釣りです。

友人と合流した後、取敢えず目につく川に毛バリを流します。

 

いるわいるわ。ブラウントラウト。

庭志から庭師へ-aus38

表情が優れませんが、決していやいや釣ってるわけじゃないんです。

魚を持つのが嫌なわけじゃなく、全身が写るよう、遠慮して持ってるだけなんです。

庭志から庭師へ-aus39

タスマニアの大自然の歓迎ぶりに、興奮して散髪までしちゃいました。

タスマニアカットです。

 

 

庭志から庭師へ-aus40

でも、晩御飯に持って帰るのは4~5匹です。

あとは、リリースです。

庭志から庭師へ-aus41

キャラバンパークのロッジを借りて、晩御飯の支度。

そうそう、次の朝、通りがかりの店で朝飯を食べ、

庭志から庭師へ-aus42

出かけようとしたら、怪我をしてるクッカバラを見つけたんですよ。

で、私らにはどうすることも出来ないので、店員さんに預けました。

庭志から庭師へ-aus43

店員さんは親指を立て、「君たちは優しい日本人だ」ってなことを言ってたように思います。

まさか「あとでランチにするよ。」とは言ってなかったと思いますが・・・。

何度も言いますが、英語がわからないもので・・・。

 

 

なんやかんやで、タスマニアを後にし、そこからまた走りに走ってシドニーに到着。

無事、オーストラリア一周を達成しました。

走行距離27,000km。

帰りの飛行機のチケットを買って、残金は・・・

約3000円。

200万円が3000円。

「はよ日本に帰って仕事しよか。」

「せやな。」

 

長い間、私の旅日記にお付き合いいただき、ありがとうございました。